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がんとともに

30歳で胃がんになった消化器内科医が胃腸クリニックを開業してからの想い

ピロリ菌の治療

こんにちは。

 

熊本地震から1年が経ちました。

 

1年前の4月14日、内科学会総会で発表するため飛行機で東京に向かっている最中に、前震といわれる地震が発生しました。

 

羽田空港に到着するとTVが臨時ニュースになっていて、慌てて自宅に連絡して家族の無事を確認しました。

 

熊本・大分をはじめ九州のために、自分に出来ることを考えた時でもありました。

 

 

ピロリ菌の除菌治療

 

前回までに続いて、いよいよピロリ菌の除菌治療について解説します。

 

検査でピロリ菌がいることが分かると、除菌治療をお勧めしています。

 

ただし保険適応となる病気が決まっていて、元々は胃潰瘍や十二指腸潰瘍の人が対象でしたが、徐々に胃MALTリンパ腫や特発性血小板減少性紫斑病の人や早期胃がんに対する内視鏡治療後の人にも拡大し、現在はピロリ菌に感染した胃炎の人も適応となっています。

 

また胃がんが出来ないないかどうか確認する意味も含めて、治療前に胃カメラ検査を行うことが必要となります。

 

治療の方法としては、抗生物質を2種類と胃酸を押さえる薬1種類の計3種類の薬を朝晩2回、1週間内服します。

 

治療自体は1週間のみで終了となります。

 

抗生物質に対して耐性を持ったピロリ菌がいるため、100%の成功率とはなりませんが、ほぼ90%以上の確率で成功します。

 

ただし100%ではないために、必ず除菌できたかどうか、確認する必要があります。

 

感染診断したときと同じような検査ですが、除菌治療してから最低4週間、出来れば8週間は間を空けて検査をします。

 

もし失敗していれば、抗生物質の種類を変更して2回目の治療を行い、95%近くは2回目までで除菌治療が成功します。

 

万が一失敗した人は、保険治療ではなく自費診療となりますが、3回目の治療まで検討することとなります。

 

 

治療に際して気をつけること

 

抗生物質を内服するため、薬剤にアレルギーがある人は要注意です。

 

また1週間の薬を途中で中断すると成功率がかなり低くなってしまいますので、忘れずにきちんと内服することが重要です。

 

よく聞かれることでもありますが、飲酒は2回目の治療の際は影響が出るため、控えましょう。

 

他にも副作用として、アレルギー反応(発疹・かゆみ)、軟便・下痢、味覚異常、肝機能障害が報告されています。

 

実際今までアレルギーはなかったけど、内服中や内服後に発疹が出現したり、下痢になった人は経験があります。

 

いずれも軽症で速やかに回復しましたが、やはり薬を内服するということで、危険性もあることは理解しておく必要があります。

 

胃潰瘍や十二指腸潰瘍はもちろん、胃がんの再発予防にも十分役立つピロリ菌の除菌治療ですので、感染している人はぜひ治療をしましょう。

 

次回は除菌治療後に気をつけることです。