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がんとともに

30歳で胃がんになった消化器内科医が胃腸クリニックを開業してからの想い

ピロリ菌に感染してから

こんにちは。

 

前回に引き続き、ピロリ菌と病気の関係についてです。

 

感染するとどうなる?

小児期に感染すると、1年以内に、ほぼ100%慢性胃炎の状態となります。

組織学的には萎縮性胃炎といい、胃粘膜が萎縮した状態となっています。

ただしその進行度は個人差が大きく、萎縮した範囲によって分類が分かれています。

胃カメラをすると、萎縮している部分と萎縮していない部分は、色調や血管の見え方で異なっているため判別可能となります。

この段階で早期に発見して除菌治療することで、徐々に胃粘膜が元に戻ることを期待します。

 

胃がんになる?

しかし中には、自分のように「胃がん」になる人がいます。

自分は、先に「胃がん」が見つかり、後からピロリ菌感染が判明し、手術後に除菌治療をしました。

 

WHO世界保健機関もピロリ菌には明確な発がん作用があると認定しています。

またピロリ菌に感染している人と感染していない人では、胃がんの発症率が有意に異なります。

胃がん治療後の再発も減少させる効果があるとされています。

一般のみなさまへ | 日本消化器病学会

 

ピロリ菌に感染した人全員が、「胃がん」になるわけではありませんが、除菌をした方が「胃がん」になる可能性は明らかに低下させることが出来ます。

 

まずは自分にピロリ菌がいるかどうか、慢性胃炎~萎縮性胃炎になっているかどうか、胃がんがないかどうか、調べてみることが大事です。

 

胃がん以外の病気は?

胃がん」以外にピロリ菌と関連する病気として、胃潰瘍・十二指腸潰瘍があります。

かつては潰瘍で苦しむ人が多く、再発を繰り返し、出血して吐血するため手術をする人も多数いました。

ストレスが原因と言われていた時期もありましたが、一番の原因はピロリ菌と言われています。

潰瘍の8~9割はピロリ菌が関連し、除菌治療をすると再発が非常に少なくなります。

 

また他にも胃MALTリンパ腫や特発性血小板減少性紫斑病(ITP)や機能性胃腸症や一部の胃ポリープはピロリ菌と関連があります。

実際、自分で検査した患者さんの中にも、MALTリンパ腫やITPの方がいて、除菌治療により軽快しています。

普段お腹がスッキリしない、いつもシクシクする、胃が重たい、といわゆる「胃が弱い」と思っている人も、除菌治療で軽快する機能性胃腸症の可能性があります。

胃ポリープの中でも、過形成性ポリープは除菌治療で縮小・消失することがあります。

 

実はいろいろな病気と関連しているピロリ菌ですが、除菌治療は簡単に行うことが出来ます。

 

また次回以降に治療とその後に気をつけること、治療の副作用についてお話しします。